ネット上の掲示板に誹謗・中傷などがされた際、書き込んだ人を特定することは困難です。
けれども、公的な権力が調査すれば、たいていのケースは書き込んだ人を特定することができます。この特定作業のプロセスは、以下のような手順になります。
①掲示板の運営者から書き込んだ人のアクセスログの提供を受ける
②ログに記載されているIPアドレスから書き込んだ人の回線を特定する
③回線会社にそのIPアドレスと日時を通知し、その契約者情報の公開を請求する
④回線会社から契約者の氏名や電話番号、住所などの通知を受ける
このなか①と③で、サイト運営者と回線会社の二社に情報開示してもらうことが必要になりますが、一般の個人が企業に情報開示をしたとしてもまず開示してはくれません。個人情報の保護の観点から、門前払いされてしまうのが一般的です。なので、警察などの公的権力が情報開示を請求することが必要になります。
ただ、多くの書き込みがなされている場合、文章のクセや特徴などから書き込んだ人を割り出せる可能性があります。
例えば、「やる気ない」という表現をする人と「モチベーションが下がる」などと表現をする人がいますが、「モチベーション」などという特徴のある語彙は、使う人はずっと使いますが、使わない人はまず使いません。他にも特徴のある単語などを抜き出してみて、同僚のブログやSNSなどをチェックしてみるとよいでしょう。
他の人はまず使うことがないだろう単語を、その人だけが使っていたとしたら、その人が書き込んだ人である可能性が高いです。これを調べるにはsite検索が便利ですが、その人のブログやSNS全体でそのような単語が使われているかどうかをチェックすることができます。
あるいは、語尾や文末の句読点のあり・なし、改行のクセなどでもある程度は割り出すことが可能です。
ただし、たまたまということもありますし、そのように疑い出したらキリがありませんし、何より掲示板をチェックすることが日常的になるとストレスもたまっていきます。できるだけ、誹謗中傷などの書き込みはスルーするのが一番よいでしょう。